江戸戯画から近代漫画へ　GIGA・MANGA　東北歴史博物館

09月03日: お勧め展覧会日本美術

■ GIGA・MANGA　江戸戯画から近代漫画へ

東北歴史博物館

会期：2020年7月4日-9月6日

海外でも注目を浴びる日本の漫画文化の源流として、戯画が挙げられます。戯画とは字の通り、戯れ・遊び心の在る絵、時に誇張や風刺の要素も入り、平安時代以前からすでに表現されていました。「GIGA・MANGA　江戸戯画から近代漫画へ」では、商業出版が発達し、大衆が気軽に楽しめるものになったことでさらに大きく華開き発達した、江戸時代の戯画を現代の漫画文化の起点として紹介しています。

葛飾北斎をはじめ、広重、国芳ほか名だたる浮世絵師もユニークな戯画を数多く描き、江戸の庶民を楽しませていました。そして幕末から明治の変革においても河鍋暁斎をはじめとした絵師の活躍で、文化はますますの発展を遂げます。明治・大正には新聞や雑誌の発達で、社会風刺を描いた“ポンチ絵”と呼ばれる漫画や挿絵が流行し、現代の漫画により近いものとなっていきます。時代の背景を教科書的な情報ではなく、皮肉やおかしみでとらえることができることが戯画・漫画の楽しみの一つです。本展覧会では、江戸の戯画から明治・大正・昭和の近代漫画まで、約250点の作品と資料で詳しく紹介しています。また、8月4日より後期展示が始まっており、浮世絵作品等多数の新たな展示物が登場。

今回記事として取り上げました江戸から大正時代の漫画、戯画の作品集や展覧会図録は品揃えを強化しています。江戸の戯画、漫画に関する画集を整理される際にはご相談ください。

以下に、当展覧会に出かけられる前の予習、鑑賞された後の復習などに役立つ関連図書も紹介していますので、是非ご参照ください。

江戸戯画、江戸漫画に関連する作品集や図録、関連書籍

●「北斎漫画全3巻」

監修解説：永田生慈
出版社名：岩崎美術社
サイズ　：24×17×10cm

もはや入手不可能な初刷原本。
世界に残る最良の15編を原寸で完全収録。
総数3900図におよぶ江戸風俗の大百科図典。
15編すべてを原寸で完全収録。

・「1」
発行年月：1990年　再版
以下カバーの説明文より-----
1編/文化11年刊
2編/文化12年刊
3編/文化12年刊
4編/文化13年刊
5編/文化13年刊

・「2」
発行年月：1990年　再版
以下カバーの説明文より-----
6編/文化14年刊
7編/文化14年刊
8編/文政元年刊
9編/文政2年刊
10編/文政2年刊

・「3」
発行年月：1991年　再版
以下カバーの説明文より-----
11編/刊年未定
12編/天保5年刊
13編/刊年未定
14編/刊年未定
15編/明治11年刊

江戸戯画、江戸漫画に関連する作品集や図録、関連書籍

●「国芳の狂画」

著者名　：稲垣進一/悳俊彦
出版社名：東京書籍
発行年月：1991年10月
サイズ　：205ページ　30*21cm

幕末最大の漫画家ともいえる奇才・国芳の狂画の世界を一挙に紹介。現代の漫画の原点となる貴重な作品を収録している。浮世絵・美術愛好家のみならず、ユーモアの世界を忘れかけた現代人・必見の書だ。（本文）

江戸戯画、江戸漫画に関連する作品集や図録、関連書籍

●「浮世絵大武者絵展本邦初・勇壮無比　武者絵二百年の歴史をたどる」

開催　　：2003年　町田市立国際版画美術館
サイズ　：236ページ　29×22cm

ソフトカバー

第1部「浮世絵武者絵の流れ」は、墨摺版画の時代から錦絵全盛期を経て、明治期に至るまでの浮世絵武者絵の流れを広く眺める、史上初の試みです。春亭、国芳、芳年の力作のほか、葛飾北斎、歌川広重ら人気絵師たちの珍しい作品もご覧いただきます。
第2部「太閤記の世界」では、豊臣秀吉の生涯を著し「太閤記」をテーマにした作品をとりあげます。
（あいさつ文）