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開催前から楽しみにしていた FOLON空想旅行案内人 ジャン=ミシェル・フォロン展。

300点近くの作品が展示された
大規模展覧会、ようやく鑑賞することができました。
2024年東京からの巡回で名古屋市美術館では3月23日までの開催です。
次は大阪のあべのハルカス美術館(4月5日(土)~6月22日(日))での開催となります。

はじまりは本人の名刺から…。
シンプルに書かれた
FOLONの文字と
「AGENCE DE VOYAGE
IMAGINAIRES
(空想旅行エージェンシー)」。
空想の力で世界中、そして宇宙までも旅ができるのだと、
その文字通り素敵世界の空想旅行に誘っていただきました。

美しく愛らしくも感じる
豊かな色彩に、心を優しく
包まれるような温かさで
心地よく穏やかな空気をつくり、
また、環境破壊や戦争、人権などの問題に、胸が締めつけられるような思いにもなりました。

どの作品にも、すんなりと入れる
不思議な扉があるようで
ジャン=ミシェル・フォロンの
哲学的なメッセージ、
独特な表現や価値観を知る
素晴らしい旅ができました。

日本では30年ぶりの展覧会です。
ドローイング・水彩画・
ポスター・彫刻・写真・
オブジェ・動画やアニメーション作品が展示されています。
フォロンの旅を心ゆくまで堪能できました。

              

愛知県美術館で開催されています 『パウル・クレー展 ── 創造をめぐる星座』

パウル・クレーはスイス生まれ
ドイツで活躍しました
人気の高い画家であり
銅版画家です。

孤高の画家、孤独に瞑想する
芸術家とも言われますが
多くの芸術家との交流があり
影響しあい互いを高め合っていたことが
本展覧会で分かります。

パウル・クレー作品は
独特な色彩、色使いが特徴で
幻想的な作品が多く
一つ一つが語りかけてくるような
魅力があります。

ワシリー・カンディンスキー、マッケ、マルクとともに
「青騎士(ブラウエ・ライター)」に参加し、
第⼀次世界⼤戦時、ワイマールの美術工芸学校バウハウスで教鞭をとり
後にナチスによる迫害を受け
スイスに亡命。

本展では、キュビスム、表現主義、
ダダ、シュルレアリスムといった
クレーと同時代の美術や
他作家の作品も展示され
見応えあり。

Pic一枚目は美しいブルーに惹かれ購入しました『蛾の踊り』
A4サイズのポスターです。

愛知県美術館は
3月16日(日)まで、
その後
3月29日(土)~5月25日(日)
兵庫県立美術館、
6月7日(土)~8月3日(日)
静岡市美術館を巡回します。

          

東京ステーションギャラリーで 「生誕120年 宮脇綾子の芸術  見た、切った、貼った」展が 開催されています。

アップリケ、コラージュ作品
資料と作品150点を展示。
宮脇綾子さんは見ることを
とても大切にしていました。
制作するにあたり、美しかったり
面白いものは まずモノを徹底的に
観察するとおっしゃっています。
野菜や魚、カタツムリも多方面から
観察して幾つもスケッチをして、
そして数ある布切れの中から選ぶ
グッドチョイスな布たち。
上手いと思わず膝を打つ
面白く独特な布合わせ、
そして布も細い糸も
チクチクチクチクと縫い付けて
素晴らしい作品になるのです。

アイデアと工夫と根気の芸術
魅力的な宮脇綾子作品でした。

会期:2025年1月25日(土)〜2025年3月16日(日)

  

今日2月26日は芸術家・岡本太郎の 生誕の日です。

著書『自分の中に毒を持て』は
今までの自分の価値観にパンチを入れられたような
岡本氏の哲学と熱く強烈なメッセージで、
読後、生き方や思考の周りについていた
余分なものが剥がれ落ちたように
爽快で何だか笑ってしまう面白い感覚を覚えました。
心に響く良い影響を与えられた1冊です。

写真は東京・南青山にある岡本太郎記念館

 

東京都現代美術館で開催中の 「音を視る時を聴く坂本龍一」 展覧会へ。

生前、東京都現代美術館のために
遺したといわれる展覧会構想を
もとに、音と時間をテーマとした
インスタレーション・アートの
大規模展覧会。

高谷史郎氏他、幾人かアーティストとのコラボレーションしたサウンド・インスタレーション作品10点あまりを体感。

坂本龍一氏ご本人がそこで演奏されているようなバーチャル演奏など、未発表の新作と、これまでの代表作から
音と空間全体を作品として、
それぞれの作品に時間を忘れ落ちていく、そんな没入感がとても心地よく
幻想的な感覚を体験できました。
何時間いたのでしょうか…
素晴らしい展覧会でした。

期間は2025年3月30日までです。

東京・広尾の山種美術館で開催中の 「HAPPYな日本美術ー 伊藤若冲から横山大観、川端龍子へー」

楽しくて美しい 見ているだけで
幸運や恵を受けるよう気分になれる、
そんな素敵な作品が日本美術にあります。

遠い昔から、慶事や節句、
人々が願い祈る健康長寿や子孫繁栄、
富繁栄。
そんな人々の思いから描かれた日本画。

本展は「福をよぶー吉祥のかたち」
「幸せをもたらすーにっこり・ほのぼの・ほんわか」の2章構成になっており、
太く濃く力強い大観の松や、
今にも掛け軸から飛び立ちそうな若冲の鶴など、
迫力満点で躍動感溢れる
胸にズキュンと迫るものから、
繊細で優しく心がとける作品まで
松竹梅や鶴、富士山に七福神

美しく めでたくてあっぱれと。
鑑賞していて笑顔になれる
作品55点でした。

繊細な美に流れるような
艶やかな美しさ、歳を重ねるほど
日本美術が好きになります。

開催期間、2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振)

館内カフェでいただきました。
椿の練り切りとお抹茶可愛くて美味しかったです。
  

東京都庭園美術館で開催中 青木野枝/三嶋りつ惠 そこに光が降りてくる

彫刻家、版画家の青木野枝さんと
ガラス作家の三嶋りつ惠さんの
お二人による展示会

青木野枝さんの重厚な鉄が
スルスルと線を描くように
軽やかで、弾むかのような
リズムのある斬新な作品と
三嶋りつ惠さんの
繊細なガラスの儚さと柔軟さに
洗練された優美。

旧朝香宮邸の室内装飾と
作品一つ一つと絡む光も合わさった調和が素晴らしく素敵で
お二人の作品どれもが
優しさの中にある凛とした強さを感じる とても美しい展示会でした。

2月16日(日)までの開催です。

       

金山南ビル美術館棟 (旧名古屋ボストン美術館)で開催中の 『ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの女神たち』

アルフォンス・ミュシャは
アール・ヌーヴォーを代表する
フランスで活躍しましたチェコ出身の
画家、グラフィックデザイナーです。
『ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの女神たち』は
オリジナルの作品約150点展示され、
デジタル映像で絵画の美しさを全身で
体感できる展覧会でした。

現実の世界から離れた女神のような
女性たち、周りを彩る繊細で美しい花や星などの装飾と相まって
夢を見ているかのように幻想的で魅惑的な作品の数々、
またリトグラフ(石版画)の独特な色合いは柔らかく優しく包み込まれる心地よさも感じました。

会期は2024年12月21日(土)~2025年2月2日(日)です。

名古屋会場に続き、横浜・福井会場での巡回
【横浜会場】
会期:2025年4月18日(金)~5月18日(日)まで
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 3階
【福井会場】
会期:2025年7月19日(土)~8月31日(日)まで
会場:福井県立美術館

        

昨年末にご紹介しましたモーリス・メーテルリンク (Maurice Maeterlinck)の戯曲 『青い鳥』 『L’OISEAU BLEUル・ワゾ・ブル』

こちらは 、1908年9月30日に
ロシアの劇場モスクワ芸座で
初演された 劇文学
1911年3月2日にパリ レジャンステージで初めて上演された演劇の
フランス語戯曲と挿画の挿画本
No2950

挿画を担当したのはフランスの芸術家
アンドレ・エデュアール・マルティ(André E. Marty)
絵具をつけた形を切り抜いた
型紙(ステンシル)を使って
絵具を刷る版画技法、
ポショワール技法の
美しくなんとも愛らしい挿画。
挿画とともに物語の
目に見えていない世界を
広げ進めてくれるのが挿画本の
楽しく素晴らしい魅力です。

  

子供が保育園から幼稚園、 小学校低学年頃まで ほぼ毎日、眠る前ベッドで読み聞かせをしていました。

小学生の この季節この時期に
読んでいたのが
ベルギーの詩人、劇作家の
モーリス・メーテルリンクの『青い鳥』

クリスマスイブの晩に
青い鳥探しの旅に出る
ティルティルとミティル兄妹のお話です。

『青い鳥』童話劇の戯曲ですので
訳:江國香織、絵:宇野亜喜良の
新訳で読み聞かせ。
江國香織さんのゆったりとした訳に
独特な世界観の宇野亜喜良さんの絵が
とても魅力的です。

辛いことや悲しいこと、
怖く恐ろしいことや
理不尽なこともある この世界ですが
それ以上に愛と幸せが溢れていることに
私たち人が生まれてくる意味に
気付くことができるのです。

小さな方だけでなく大人も
いろいろな見方
いろいろな感じ方 捉え方のできる
『青い鳥』
クリスマスプレゼントにいかがでしょうか。

皆さまに、溢れるほどの愛と幸せを
良いクリスマスをお過ごしください

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