書籍・雑誌 アーカイブ - ページ 6 / 12 - 古本買取や美術書 画集 デザイン書 建築書の専門古書店セシルライブラリブログ

セシルライブラリ メイン

スエーデンの児童文学作家 アストリッド・リンドグレーン

「長くつ下のピッピ」や「やかまし村の子どもたち」など
可愛らしく楽しい作品は、 子どもの頃 元気になる本で何度と読みました。

この「よろこびの木」は
昨年 観覧しました展示会
長くつ下のピッピの世界展で知りました作品です。

子どもの頃に読んでいた楽しさや
ワクワク感のあるものとは異なり、
胸が苦くなるほど悲しい お話ですが、
読後 涙が溢れ出す優しく温かな気持ちになる とても美しい絵本でした。

文 アストリッド・リンドグレーン
絵はデンマークを代表する絵本作家、イラストレーターの
スヴェンオットーS
訳 石井登志子

 

 

不思議な世界繋がりで 泉鏡花の作品を。

どの場面も
瑞々しく鮮明に瞼に映し出され、
太陽の光の眩しさや
花の香り湿った空気 山の木の葉を踏む音、
雀がちゅんちゅん戯れる音まで感じられる
文章に、度々登場する艶やかな女性にも
引き込まれてしまいます。
そして、背中がゾクリッとする不気味さも魅力的。
大好きです。
泉鏡花 「歌行燈 高野聖」「鏡花短編集」

 

作家・吉田篤弘さんの世界が 好きです。

夢の中へ落ちていくように、
本の中へ落ちていく感じが
とても心地いいのです。

パロール・ジュレと魔法の冒険
(著)吉田篤弘
この お話は 本の中へ入り込み
紙魚となり本の中の人物になって
ある秘密の調査をする諜報員と
それに関わる人々の不思議な話。

しかも、そのある秘密の調査とは
パロール・ジュレ(凍りついた言葉)。
なんでしょう?パロール・ジュレとは。
キノフという北の街では、
人の発した言葉が結晶して
凍りつく。
このパロール・ジュレを探る
不思議な不思議な話。

ファンタジーのようで冒険小説で
優しく切なく 素敵な話。

 

 

木皿泉(著)

木皿泉(著)
『 昨日のカレー、明日のパン 』
『 さざなみのよる 』

死があり そこから始まる
そこに繋がる人達のドラマが
描かれています。

人が生きるには
時には辛く苦しく、また楽しく
幸せな日常がついてきます。
どんな一日でも 毎日 日が昇り
日は落ちる。
多くの人との出会いや別れがあり
人生が作られます。
毎日を大切に、自分と関わる全ての人に
優しくありたい。
どちらも そんな風に思える素敵な作品です。

クスッと笑え、温かさがじんわりやんわりと沁みてきます。
そして、窓から入る爽やかな秋の風に
頬を撫でられたような心地良さと 、
穏やかな心持ちを感じられるでしょう。

 

暑い暑い夏の夜に、 幻の世界へ旅してみませんか?

 

自分は今どこにいるのか
見失わないように気をつけて。
いつでも すぐに 夢まぼろしの扉が開きます。
内田百閒作品の中でも
好もしい「冥途」......
金井田英津子 さんの絵が
より魅力的にしています。

「 御馳走帖 」内田百閒(著)

大正 昭和の食事や地方の御馳走から戦後の倹しい食事まで、
百閒先生の食に対するこだわりや 当時の食文化、
自分も一緒にお膳を囲んでいるかのように錯覚してしまう。

読み進むうち、
つるつると 蕎麦をすすり
旨い酒肴をお膳に、
美味しいお酒をいただきたくなります。
暑い日が続いても、
夏バテなんてしてられません。

 

6月に『長くつ下のピッピの世界展』に行きました。

スエーデンを代表する児童文学作家の
アストリッド・リンドグレーン。
幼い頃、自分の知る世界では
想像つかない遠く離れた国、風景が
好奇心を膨らませ、自由に心や気持ちを
解放する彼女の世界が 楽しく刺激的で、
そして憧れもあり どの作品も夢中で読みました。

「本を手にした子どもはひとり、
魂の秘密の空間に、自分だけの絵を描きます。
そうした絵は、何にも勝るものです。
人間にはこのような絵が必要です。
世界で起きたあらゆる偉大なできごとは、
初めは誰かの想像の中に生まれました。
明日の世界がどんなふうになっているか、
その大部分は、今まさに読むことを
学んでいる人たちの想像力の大きさに
かかっています。
だからこそ、子どもたちには本が
必要なのです。」
アストリッド・リンドグレーンの言葉です。

正にその通りだと思います。
世界中の子どもたちが、
魂の秘密の空間に
大きな絵が描けますように。
そして想像の翼で 広く大きな空を羽ばたけますよう

この展示会は、現在 福岡市博物館で開催中(7/6〜8/25)

9/14〜11/10愛媛美術館でも開催予定です。

 

たくさんの花に囲まれ 幸せなひと時。

そこに居るだけで 心躍ります。

手入れされている 美しい庭に
フェアリーの丘、
可愛い羊やアヒルにポニー
ゆっくりと時間が過ぎて
鳥や虫の声や風の音を聞きながら
のんびりと散歩する。
心満たされます。

素敵なローザンベリー多和田の庭

洋画家猪熊弦一郎 氏の 『 画家のおもちゃ箱 』

素朴で 深みを感じられる品々
画家らしく 美意識の高いそこにある
一つ一つが美しく、
それに纏わる話やエピソードが
愛に包まれていて、
文章も写真も心にじんわり染みていきます。

どのページもどの品も物語のある宝物のよう。
素敵なおもちゃ箱。

文、猪熊弦一郎
写真は、大倉舜二

以前、紹介させていただきましたが

森下典子さんの作品の中でも好きな一冊
「日日是好日 ー お茶が教えてくれた15のしあわせ」
これは映画にもなり、昨年公開されましたね。

この映画公開に合わせ出版された
続編「 好日日記 ー 季節のように生きる 」
本の中に居る ひととき は、
静寂を聞き 風や葉音をみる。
四季とともに香りや感覚を肌で感じられる
春夏秋冬のある日本に暮らせる幸せ、
そして心地良さに浸ります。

これもまた、きっと 何度とページをめくり読み返す一冊になるでしょう。

archive

blog category

最近の記事