7月, 2010 - Part 5

セシルライブラリ
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大切な 『 あなたの一冊 』 を見知らぬ 誰か の 『 大切な一冊 』 になることを 願って...。 大切な 『 あなたの一冊 』 を見知らぬ 誰か の 『 大切な一冊 』 になることを 願って...。

買取日誌(7月5日)ニット他手芸の本

ニット・クロスステッチ関連の手芸の本の買取

埼玉県さいたま市のお客様よりニット、クロスステッチ、レース
洋裁など、手芸の本を多数、お売りいただきました。
ありがとうございました。

以下のコメントもいただきました。
(掲載の許可をいただきましたお客様のコメントのみ載せています)


???お客様より???-

丁寧かつ迅速な対応をありがとうございました。

ネットを利用しての初めてのやり取りは思いのほかスムーズで
とても
良かったです。大切にしてきた本です。愛のある対応に
感謝いたします。
またの機会もぜひお願いいたします。

(埼玉県さいたま市 Y様)


大阪市のデザイン事務所様より、ピエブックスのデザイン書を
はじめ、タイポグラフィー、グラフィック関連の本を多数、ご依頼
いただきました。
初めて取り扱う本がたくさんございました。
大切に販売させていただきます。
ありがとうございました。

戦後アメリカ美術

・戦後アメリカ美術

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1940年代前半、第二次世界大戦の戦火を避けて、ヨーロッパからシュルレ
アリスム、抽象絵画、バウハウス関係者など、美術家、音楽家、建築家、
デザイナーらあらゆる種類の前衛芸術家がニューヨークに亡命します。

また、第二次大戦に大勝したアメリカは産業、政治面で世界をリードする地位
に立ち、その強大な国力はすぐに芸術面においても反映され、ヨーロッパの
前衛を担う人々がアメリカに移ってきたことにより、ニューヨークが芸術世界の
中心地になり、やがて行き詰まった近代絵画はモダニズムの影響も受け、
アメリカの若い画家たちにより、さらに先鋭的な絵画へと発展し、ここに抽象
表現主義とよばれる絵画運動が興ります。

1950年代後半から、既製品の使用(レディメイド)や大衆的な図像の流用、
また伝統的な芸術や美学の概念を否定する反芸術的なところを持ち合わせる
ネオダダや、抽象表現主義を批判的に継承しつつ、装飾的・説明的な部分を
できるだけ削ぎ落とし、シンプルな形と色を使用して表現する彫刻や絵画運動
のミニマル・アートが出現します。

そして大量生産・大量消費社会によって1950年代のイギリスから誕生し、
1960年代にアメリカで最盛期を迎える、大衆文化の影響の下に誕生した
ポップ・アート、そして1960年代から1970年代にかけて世界的に行われた
前衛芸術運動で、ミニマル・アートのつぎのアートとして出現したコンセプ
チュアル・アートが興りました。

しかしそれまでのコンセプチュアル・アートやミニマル・アートの難解さから、
技法的には抽象表現主義の影響があるニュー・ペインティングとも呼ばれる
新表現主義が台頭します。

1980年代以降はインスタレーション、ランド・アート、パフォーマンスアートや、
コンピュータをはじめとする様々な技術の革新によっ可能となったビデオ・
アート、メディアアートが国際的に発展し、アメリカにおいてもニューヨークを
中心に世界を牽引するアートシーンのひとつとなっています。
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アメリカの現代美術全般については買取重点商品です。

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2009120600517-265x300 2010020701130-225x300
2010050300100-225x300 (1)
2010071700040-224x300

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サイ・トゥオンブリー
Cy Twombly(1928年4月25日-)

1928年、アメリカ、ヴァージニア州レキシントンに生まれます。
22歳でニューヨークの美術学校アート・スチューデンツ・リーグに学び、
ロバート・ラウシェンバーグと知り合い、後にロバート・マザウェルに師
事します。
1953年には、暗号制作者としてアメリカ陸軍に従軍。この経験は彼の
その後の創作活動に影響を与えました。
サイ・トゥオンブリーの絵画は常に「子供の落書き」のような、と形容
される反面、フォルムや言葉や数字を画面の中で浮遊、飛翔させ、光
のフィールドとしてとらえられたカンヴァスは鉛筆やチョークによる線描
と油彩の技法が駆使されています。

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ロバート・ラウシェンバーグ
Robert Rauschenberg(1925年10月22日-2008年5月12日)

1925年、アメリカ・テキサス州ポート・アーサーに生まれます。
ニューヨーク、アート・ステューデンツ・リーグで学び、抽象表現主義的
な画面に日用品を貼付ける「コンバイン・ペインティング」を試み、シル
クスクリーン、コラージュを用いた作品で知られ、ネオダダの代表的な
作家として活躍、その後ポップ・アートの隆盛にも重要な役割を果たしました。

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ジャスパー・ジョーンズ
Jasper Johns
(1930年5月15日-)

1930年、アメリカ、ジョージア州オーガスタに生まれます。
友人であるロバート・ラウシェンバーグとともにアメリカにおけるネオダダ
やポップ・アートの先駆者として活躍しました。
抽象表現主義の芸術至上主義的な表現に反発して、旗、標的、数字、
文字などのありきたりの誰もが見慣れた記号やシンボルを題材にした
二次元的な絵画や版画などの平面作品を制作しました。

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クレス・オルデンバーグ
Claes Oldenburg(1929年1月28日-)

スエーデンで生まれ、幼少をアメリカで過ごし1953年に帰化します。
その後、ジム・ダインやアラン・カプローと一緒にハプニング(パフォーマ
ンスアート)を行い美術関係者に注目され、巨大な彫刻群や巨大なパブ
リックアートを残します。
1976年以降、妻のオランダ現代美術家、コーシャ・ヴァン・ブリュッゲンと
共同で大型彫刻を制作しています。

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ロバート・マザウェル
Robert Motherwell (1915年1月-1991年7月)

1915年、アメリカ、ワシントン州アバデンに生まれます。
早くからヨーロッパの文学や絵画に親しみ、オートマティズムやコラージュ
の手法を用い、抽象表現主義やカラーフィールド・ペインティングと呼ばれ
る抽象絵画の動向の中で活躍しました。

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ドナルド・ジャッド
Donald Clarence Judd(1928年6月3日-1994年2月12日)

1928年、ミズーリ州で生まれ、ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグ
やコロンビア大学で哲学や美術史を学びます。
抽象表現主義の情念の混沌とした世界の表現に反対し、その対極のミニ
マル・アートを代表するひとりです。
絵画表現を非理性の表現として否定し、芸術表現から、見る人の情感を
刺激する意味や内容を次々に排除していき、表現が辛うじて成り立つ極小
にまで絞り込んだ表現方法が特徴です。

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ソル・ルウィット
Sol LeWitt(1928年9月9日-2007年4月8日)

1928年にコネチカット州ハートフォードで生まれます。
1960年にニューヨーク近代美術館MoMAの下級職員となり、ジャスパー・
ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグ、フランク・ステラの作品に触れます。
ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートなどの芸術活動で知られ、コンセ
プチュアルアートという言葉を最初に公で使用したアーティストです。

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リチャード・セラ
Richard Serra(1939年11月-)

1939年、サンフランシスコに生まれます。
ミニマリズムを代表する彫刻家として活躍。一枚の巨大な金属板を加工し、
組み合わせて、大変スケールの大きな作品を制作することで知られています。
「壁」と言った方が近い巨大なオブジェによるスペースが作品となっています。

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ブルース・ナウマン
Bruce Nauman(1941年12月6日-)

1941年、アメリカ・インディアナ州にて生まれます。
1960年代に大学で美術を学び、立体作品を手がけ、実験的な映画を撮影
するようになります。
1970年代にニューメキシコ州に移住し、ネオン管や鉄、グラスファイバーを
使った立体、ボディ・アート、パフォーマンス、フィルム、ビデオなど様々な
方法と作品で美術界に衝撃を与え続けているアーティストです。

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アンディ・ウォーホル
Andy Warhol(1928年8月6日-1987年2月22日)

世界で最も有名なポップ・アートの旗手、アンディ・ウォーホルは1928年、
アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグで生まれます。
1950年代の初期はイラストレーターとして「ヴォーグ」や「ハーパース・
バザー」などの広告イラストで好評を得ます。
1961年、キャンベル・スープの缶やドル紙幣をモチーフにした作品を発表
し、翌年シルクスクリーンプリントによる量産が開始、ポップ・アートが本格
的に始動します。
1964年からはニューヨークのファクトリーでアート・ワーカーを雇い、シルク
スクリーンプリント、靴、映画などの作品を制作し、ミュージシャンや作家、
モデルなどど交流を深めます。
死去する1987年まで、アメリカの資本主義や大衆文化のもつ大量消費、
非人間性、陳腐さ、空虚さが表現された作品を次々と発表しました。

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ロイ・リキテンスタイン
Roy Lichtenstein(1923年10月27日-1997年9月29日)

アンディ・ウォーホールらとともにポップ・アートの代表的なアーティスト、ロイ・
リキテンスタインは1923年、ニューヨークに生まれます。
1960年代初頭、広告や漫画からイメージを直接引用した絵画作品によって
大きな注目を浴び、ポップ・アートの旗手として注目されます。
印刷の網点やストライプのパターン、太く明快な輪郭線、そして平坦に塗られ
た原色など、漫画のコマを拡大したような独創性溢れる作品が特徴です。

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トム・ウェッセルマン
Tom Wesselmann(1931年2月-2004年12月)

1931年、アメリカ・オハイオ州シンシナティにて生まれます。
1950年代からコラージュの技法を用いた作品を制作、1960年代から
「グレート・アメリカン・ヌード」シリーズによりポップ・アート・アーティストとしての
高い評価を受けます。
その後、コラージュによる立体作品や、レーザー光線で切断した鉄板を組み
合わせた「スティール・ドローイング」などを制作しました。

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ジェームス・ローゼンクイスト
James Rosenquist(1933年11月29日-)

ポップ・アートの画家、ジェームス・ローゼンクイストは1933年、アメリカ・ノース
ダコタ州で生まれます。
1950年代後半から看板画家として生計をたてています。この時の経験がポップ・
アート・アーティストとしての下地を作りました。
1960年代より、日常をテーマに断片的なイメージを組み合わせた作品や巨大な
版画・スケッチ・コラージュも数多く制作しています。

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ョージ・シーガル
George Segal(1924年11月26日-2000年6月9日)

1924年、ニューヨーク・ブロンクスで生まれます。
ニューヨーク大学に学び象表現主義の作家たちと交わり、1950年代から表現主
義的な絵画のほか石膏彫刻を試みます。
1961年、医療用特殊包帯による、外側の型取手法「アウトサイド・キャスティング」
を開発。
それまでタブーとされていたモデルの外形を直接写し取る、人体から直接型取り
した石膏の人物像を数々発表しました。

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エドワード・ルシェ(エド・ルシェ)
Edward Ruscha(1937年12月16日-)

1937年、アメリカ・ネブラスカ州に生まれます。
1950年代後半、ロサンゼルスのシュイナード美術大学で学びます。この時期に
ジャスパー・ジョーンズの絵画から影響を受けました。
1960年代より、西海岸のポップアート運動の中で絵画、コラージュ、版画を制作
します。
またコンセプチュアル・アートとしての特徴を持った写真によるアーティスト本を
自費出版で多数発表しています。

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アレックス・カッツ
Alex Katz(1927年7月24日-)

ポップ・アートの画家、アレックス・カッツは1927年ニューヨークにて生まれます。
1950年代以降。写実性を保ちながらも抽象的であり表現的でもある独創的な
自然や肖像画を対象にした作品を数々発表します。

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ダン・グレアム
Dan Graham(1942年3月31日-)

1942年、アメリカ・イリノイ州に生まれます。
1960年代にアーティストとして活動を開始し、まだコンセプチュアル・アートとい
う用語すら知られていなかった時代に、雑誌等の印刷メディアを通して、同ムー
ヴメントの先駆けとなる言葉や図表を用いた作品を発表します。
1970年代には、フィルムやビデオを単に記録媒体として用いるのではなく、ハーフ
・ミラーや鏡と組み合わせ、独特の視覚体験をもたらすインスタレーションを生み
出しました。
1980年代にはパヴィリオン/彫刻という独自の芸術スタイルを発表します。

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ジャン=ミシェル・バスキア
Jean-Michel Basquiat(1960年12月22日-1988年8月12日)

1960年、ニューヨークにてプエルトリコ系移民の母親と、ハイチ系移民の父親の
間に生まれます。
スプレーを使ったグラフィティ・アートで80年代に突如として現れます。
1983年、アンディ・ウォーホルに認められ作品を共同制作するようになり若くして
成功しますが、薬物依存により27歳で死去。

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デイヴィッド・サーレ
David Salle(1952年-)

1952年、オクラホマ州に生まれます。
カリフォルニア美術研究所に学び、1975年以後ニューヨークを拠点に絵画作品
を制作。
ネオ・エクスプレッショニズム(新表現主義)の代表作家として活躍し、絵画のみ
ならず、写真や映画作品の制作など多岐にわたっています。

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キース・ヘリング
Keith Haring(1958年5月4日-1990年2月16日)

ストリートアートの先駆者と呼ばれる画家、キース・ヘリングは1958年ペンシルベ
ニア州に生まれます。
1980年代にニューヨークの地下鉄構内のサブウェイ・ドローイングにより知られ、
その後ニューヨークのマンハッタン、アムステルダム、パリの壁画、ベルリンの壁
の壁画を制作しました。
1990年、31歳の若さでエイズにより死去。生前はAIDS撲滅活動に積極的に関わ
りポスターなどを制作しています。

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ジュリアン・シュナーベル
Julian Schnabel(1951年10月26日-)

1951年、ニューヨークのブルックリンに生まれます。
1970年代末に、壊れた陶器の皿をカンヴァスに張りつけた作品が話題になり、
1980年代のネオ・エクスプレッショニズム(新表現主義)の中核をなす画家として
活躍します。
亡くなった友人バスキアを主人公にした映画「バスキア」を撮った映画監督でも
あるほか、新表現主義の作家たちを世に送り出しています。

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ジェニー・ホルツァー
Jenny Holzer(1950年- )

1950年、アメリカ・オハイオ州に生まれます。
1970年代後半より自作のテキストを使用した、LEDを使用した表現を中心に、
様々なメディアの作品を発表しています。
テキストは多様な現代社会の状況を反映した格言的な、時として過激であり、
戦争や戦地での女性被害者達を題材とした詩的な内容を発表しています。

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ジェームズ・タレル
James Turrell(1943年-)

1943年、アメリカ・ロサンゼルスに生まれます。
大学で知覚心理学と数学を学んだ経歴から、光を繊細にコントロールした一連
の作品は、人間の知覚の生理に直接働きかけることを主題とした、インスタレー
ション作品や空間を多く作っています。

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ジェニファー・バートレット
Jennifer Losch Bartlett(1941年3月14日-)

1941年、アメリカ・カリフォルニア州ロングビーチで生まれます。
エール大学大学院卒業後、1970年代のミニマル・アートのスタイルから制作を開
始します。
その後シリアル・ペインティングの旗手となり、パネルを組み合わせた作品などを
発表しています。

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ジョナサン・ボロフスキー
Jonathan Borofsky(1942年-)

1942年、アメリカ・ボストンに生まれます。
エール大学などで美術を学び、1980年代から高い評価を得ます。
立体、平面、ウォールドローイング、ヴィデオ、ゲームなど、多彩な表現方法で
現代社会の状況や人間の内面を表します。

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ロバート・ロンゴ
Robert Longo(1953年1月7日-)

1953年、ニューヨーク・ブルックリンで生まれます。
1981年、写真を精巧に模写した、木炭やグラファイトを用いたドローイングに
よる絵画作品「メン・イン・ザ・シティ」を発表し、高い評価を得ます。
その後、絵画や版画のみならず、ビデオアートや映画制作の分野にも進出
しています。

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アド・ラインハート
Ad Reinhardt(1913年-1967年)


1913年、ニューヨーク州バッファローに生まれます。
1950年代からモノクロームな作品を制作し、黒一色の画法が有名です。
ミニマリスト、抽象表現主義の代表的アーティストです。

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リチャード・ディーベンコーン
Richard Diebenkorn(1922年4月22日-1993年3月30日)

1922年、アメリカ、オレゴン州ポートランドで生まれます。
初期はニューヨークで抽象画を描いていたが、その後人物画を経て、
具象画へと移行しましたが、抽象画 とも風景画ともつかない、色彩の
組み合わせの作品が特徴です。

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エリック・フィッシュル
Eric Fischl(1948年3月9日-)

1948年、ニューヨークで生まれます。
1972年、カリフォルニア・インスティテュート・オブ・アーツ卒業し、1980
年代後半のニューペインティング以降の新しい具象絵画を独創的に制
作するアーティストです。
若者の性衝動をテーマとしたり、効外居住者の些細な出来事をストーリー
仕立で扱う画家として国際的に注目を集めています。

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リチャード・エステス
Richard Estes(1932年-)

1932年、アメリカ・イリノイ州に生まれます。
1960年代から、ニューヨークの街並などを写真のようにリアルに油絵で描き、
しかも写真そっくりに描くのではなく、風景を再構成し独自の世界をつくりあげ
るスーパーリアリズム(超精密描写絵画)の画家として高い評価を得ます。

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サム・フランシス
Sam Francis(1923年6月25日-1994年11月4日)

1923年、カリフォルニア州に生まれます。
カリフォルニア大学で植物学、心理学、医学を学びます。
1950年、パリに渡って抽象画家として認められ、パリ、ニューヨーク、東京の
スタジオを行き来きしながら、鮮やかな色彩がほとばしる、「にじみ」の効果を
生かした表現方法など、日本美術の影響が見られる独特の作品を創作しました。

陶芸・やきものの歴史

□陶芸の歴史

やきものの歴史は土器から始まりました。わが国では、日本列島にいた先住
民族が縄文土器という独特なやきものをつくり、弥生式土器、土師器の素焼
きを経て飛鳥時代の4-5世紀に朝鮮から轆轤(ろくろ)技術と、窯が伝わったこ
とによって、さまざまな形や、高温焼成による壊れにくい須恵器が焼けるよう
になります。

奈良時代には中国から三彩陶が入り、平安時代から鎌倉時代に釉薬の使用
が発展します。本格的に釉薬を施した陶器が焼かれたのは鎌倉時代の古瀬戸
からで、灰釉と鉄釉の2種類が使われていました。

鎌倉時代までに日本三大古窯の陶邑窯、猿投窯、渥美窯が発展して衰退し、
数々の窯が淘汰され、室町時代には良品を焼くことができた瀬戸、常滑、備前
丹波、信楽、越前の六古窯が生き残ることとなります。

そして室町後期に台頭してくる茶の湯文化の流行により、桃山時代の日本の
やきものは黄金期を迎え、信長、秀吉など有力な戦国大名の権力者の庇護の
もと、「寂び」「侘び」の美意識に裏付けられ、造形的にも色彩的にも個性ある
織部、志野、黄瀬戸、唐津などの茶器の名品が生み出されます。

また秀吉の朝鮮出兵により、陶工が朝鮮半島から招聘され、日本の磁器が
有田で焼かれ、江戸時代に染付を中心とする初期伊万里の誕生に結びつき
ました。

桃山時代の発展から、磁器や染付の誕生、さらに釉薬の進歩が加わり、オラン
ダの東インド会社を通じて高級陶磁を輸出するようになり、日本の磁器は海外
でも高い評価を得ます。

江戸時代以降、さまざまな技術が日本各地に伝わり、多くの磁器窯が生まれ
幕末には量産が可能となり、庶民に流通するようになり日常生活に浸透しました。
明治以降は様々なデザイン、用途のやきものが焼かれ、六古窯や桃山陶の流れ
をくむ美術的に価値の高いものや、様々な技法を駆使した人間国宝による名品、
抽象的なオブジェなど、近現代の陶芸家らによる多種多様な陶芸作品が生み出
され続けています。
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□六古窯

日本古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な六つの窯
です。
「日本六古窯」と呼ばれ、中世以降に朝鮮半島や中国大陸から渡来した製陶
方法や技術によって始められた他の窯とは区別されており、日本古来のやき
ものといえます。

・瀬戸焼

六古窯のなかで釉薬をかけて焼くという本格的な技法を用いています。
桃山時代から、黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部などの茶器が茶の湯の隆盛に
伴って多く焼かれ、江戸時代に磁器に押され衰退しますが、その後磁器の
製法を取り入れ現在まで連綿と焼き続けられています。

・常滑焼

平安末期から室町時代まで最古で最大規模を誇り、壺や甕が主産品でした。
近世、戦国時代から衰退しましたが、近代明治以降タイル、土管などの生産
で発展しました。

・越前焼

平安時代からの歴史がある、壺や甕、擂り鉢などの台所用品が主流でした。
江戸時代末期から明治期に廃窯になり火が途絶えましたが1970年代から
復興が進み窯元が急増しています。

・信楽焼

焼き物に良好な陶土が豊富にあり、中世末期より壺、甕、擂鉢などの焼き物
づくりが始められます。
室町・桃山時代以降、土味を生かした素朴な風合いが茶人の目に止まり、
茶陶として発展し、江戸時代から現代まで日常陶器を生産し続けて発展。

・丹波焼

平安時代末期から鎌倉時代が発祥で、壺や甕、すり鉢などが主に焼かれ
ていました。
登り窯による「灰被り」と呼ばれる独特な模様は、17世紀、茶人小堀遠州の
好みによって茶碗、茶入、水指といった茶陶の名品を世に出し、現在も約60
軒の窯元が作陶を続けています。

・備前焼

平安時代に発展し、鎌倉時代から水瓶や擂鉢など実用本位の陶器が焼かれ
ています。室町時代から桃山時代にかけて茶陶としての人気が高まりますが、
茶陶の衰退とともに衰えますが、昭和に入り桃山陶への回帰をはかり芸術性
を高めて人間国宝が誕生し高い評価を得ています。
釉薬を一切使わず「酸化焔焼成」による赤みの強い味わいが特徴です。
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□陶磁器の名産地

・九谷焼

17世紀に九谷村(現在の石川県加賀市)で発展し、古九谷とよばれる初期色絵
作品が作られますが、18世紀初頭に突然廃窯となります。
19世紀初頭に金沢を中心として数々の窯が加賀地方一帯に立ち、春日山窯、
若杉窯、吉田屋窯などによる再興九谷の名品が作陶されるようになり、明治期
には主要な輸出品となり、彩色金襴手の華麗な図案は欧米で高い評価を得ま
した。
九谷焼は現在も伝統が受け継がれ、金沢市から加賀温泉郷までの広範囲で、
個人作家の一品制作から量産品まで幅広く作られています。

・美濃焼

歴史は古く、平安時代に作られた須恵器から発展、鎌倉・室町時代には、山茶
碗・古瀬戸・灰釉と鉄釉が焼かれていました。
その後、安土桃山時代から江戸時代初頭にかけて花開いた桃山文化の時代に
は、美濃の陶工・京の画工、そして茶人たちの意思が結実し、志野・織部・黄瀬戸
といった日本を代表する器が生み出され「美濃桃山陶」の一大産地となります。
美濃焼の庇護者であった古田織部の死によって、美濃焼は一時期衰退しますが、
江戸時代中期に民衆向けの焼き物を作るようになり、江戸時代末期に磁器の生
産が始まり、現在では日本の和食器・洋食器の大半を生産する大窯業地となって
います。

・四日市萬古焼

1730年代に桑名の豪商沼波弄山によって開窯されます。
弄山の没後、一時跡絶えるもののその後江戸時代後期に再興され、明治後期以降、
半磁器の製造技術を開発したことにより、近代産業として発展しました。
耐熱性の特長を活かした紫泥の急須や土鍋が有名です。

・萩焼

豊臣秀吉の朝鮮出兵により連れてこられた陶工、李勺光・李敬の2人の兄弟が藩主
毛利輝元の命によって御用窯を築いたのが始まりとされています。
17世紀以降、それまでの高麗茶碗や織部風以外にも楽焼の作風が加わって多様化
し、萩焼独特の抹茶茶碗、急須、花瓶など茶人好みの器を世に出してきました。
幕末から明治以降一時衰退しますが、萩焼の人間国宝となる三輪休雪による「休雪
白」という独特な作風など、現代の茶の湯ブームの復興により萩焼を中興しています。

・有田焼/伊万里焼

17世紀初頭、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に連れてこられた朝鮮の陶工によって
焼かれ始めます。江戸時代に有田を中心とした地域で生産された磁器は、当時「伊万
里焼」あるいは「伊万里」と呼ばれていました。これは有田一帯で焼かれた磁器が、有
田の近郊の伊万里港から積み出され、国内・海外に流通したことにちなんでいます。
この江戸時代に作られた伊万里焼を、現在では「古伊万里」と呼んでいます。
また「鍋島焼」は、幕府や大名などへの献上・贈答用の最高級品のみをもっぱら焼い
ていた藩窯の作によるものを呼んでいます。
柿右衛門様式、金襴手などの他に類を見ない絵付技術により、海外での評価は高く、
17世紀後半から18世紀初頭にかけて輸出の最盛期を迎えます。
江戸後期以降、日本各地で磁器の生産が始まると、市場は奪われていきましたが、
現在に至るまで日本の磁器生産トップブランドとして君臨しています。

・唐津焼

豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に連れてこられた朝鮮の陶工によって本格的に
作陶がはじまったといわれています。
桃山時代には茶の湯の名品として知られ、「一楽二萩三唐津」などと格付けされた
ほどでした。
江戸時代の鍋島藩は藩内の窯場の整理により多くの窯元が取り壊されますが、茶
陶を焼くための御用窯として存続します。
明治以降は、有田を中心とした磁器の台頭により衰退しますが、後の人間国宝、
中里無庵が「叩き作り」など伝統的な古唐津の技法を復活させ、再興に成功します。

・薩摩焼

豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に連れてこられた朝鮮の陶工が、島津義弘の保
護の下に発展させました。
薩摩焼は島津氏の御用窯として始まり、諸国の陶法を取入れ、各地に多くの窯場
が出来たこともあり、多種多様の陶磁器が作り出されました。
代表的な物としては「白薩摩」と呼ばれる、象牙色の肌に細かい貫入(ひび)が入り、
繊細華麗な錦手や金襴手の上絵、精巧な透彫りがほどこされた藩主御用品と、黒薩
摩と呼ばれる大衆向けの雑器に分かれます。
錦手や金襴手の華麗なものを、現在では一般にこれを薩摩焼と呼んでいます。
現在では県内全域に窯元が存在し、さまざまな技法を凝らした作品を製造しています。
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□人間国宝の陶芸家

富本憲吉
(1886年-1963年)

加藤土師萌
(1900年-1968年)

藤本能道
(1919年-1992年)

十三代今泉今右衛門
(1926年-2001年)

十四代酒井田柿右衛門
(1934年-)

石黒宗麿
(1893年-1968年)

清水卯一
(1926年-2004年)

濱田庄司
(1894年-1978年)

荒川豊蔵
(1894年-1985年)

鈴木藏
(1934年12月1日-)

三輪休和(十代三輪休雪)
(1895年-1981年)

三輪壽雪(十一代三輪休雪)
(1910年2月4日-)

金重陶陽
(1896年-1967年)

藤原啓

三代目徳田八十吉
(1933年-2009年)

山本陶秀
(1906年-1994年)藤原雄
(1932年-2001年)

伊勢崎淳
(1936年-)

中里無庵
(1895年-1985年)

近藤悠三
(1902年-1985年)

金城次郎
(1912年-2004年)

田村耕一
(1918年-1987年)

松井康成
(1927年-2003年)

井上萬二
(1929年-)

加藤卓男
(1917年-2005年)

島岡達三
(1919年-2007年)

中島宏
(1941年10月1日-)

三浦小平二
(1933年-2006年)

伊藤赤水
(1941年6月24日-)

-


-
□日本陶芸界の巨匠たち

北大路魯山人
(1883年-1959年)楠部彌弌
(1897年-1984年)

板谷波山
(1872年-1963年)

川喜田半泥子
(1878年-1963年)

バーナード・リーチ
(1887年-1979年)

加守田章二
(1933年-1983年)

六代清水六兵衛
(1901年-1980年)

加藤唐九郎
(1897年-1985年)

小山冨士夫
(1900年-1975年)

八木一夫
(1918年-1979年)

永楽善五郎
(1944年-)

樂吉左衛門
(1949年-)

河井寛次郎
(1890年-1966年)

鯉江良二
(1938年-)

大樋長左衛門
(1927年10月28日-)

岡部嶺男
(1919年-1990年)

三輪龍作
(1940年-)

辻清明
(1927年-2008年)

沈壽官
(1959年-)

初代宮川香山
(1842年〜1916年)

森陶岳
(1937年-)

加藤孝造
(1935年-)

鈴木治
(1926年-2001年)

新規商品を2点登録「ゲンズブール」ほか

SHOPへ商品2点をアップしました。

「セルジュ・ゲンズブール」
と「モボ・モガ展」の二点です。

SHOP

関連書物も合わせて紹介させていただいています。


セルジュ・ゲンズブール「Le Gainsbourg」

●「洋書/Le Gainsbourg/セルジュ・ゲンズブール」

著者名 :Serge Gainsbourg,Gerard Mathie
出版社名:Mango jeunesse
発行年月:1999年9月
サイズ :43ページ 30*27cm

sold-out

状態:
天部・小口に経年的な薄汚れや、エッジに潰れが少しありますが、
その他は特に目立つ汚れやキズなどはありません。

テキスト:フランス語
セルジュ・ゲンズブールのエッセイと、フランスのイラストレーター
Gerard Mathieによる絵で構成された1冊です。

洋書の買取アイテムです
古本 販売のアイテム


セルジュ・ゲンズブール関連書物のご紹介です。

・「セルジュ・ゲンズブール全集
・「セルジュ・ゲンスブール ジタンのけむり」
・「Serge Gainsbourg
・「フィガロブックス サガン 疾走する生
・「French Popular Culture
・「France And The Americas

セルジュ・ゲンズブール関連の書籍は高価買取させていただいています。

アート・デザイン関連の買取

モボ・モガ展/1910-1935

●「図録/モボ・モガ展/1910-1935」

開催  :1998年 神奈川県立近代美術館
サイズ :267ページ 26*19cm
販売価格:7,500円

状態:
並(特に目立つ汚れやキズなどはありません)

1910年から1935年の、当時モダンと呼ばれ時代の最先端を示す、
絵画やポスター、イラスト、写真、版画などを多数掲載。
樋口五葉/古賀春江/中村彝/景山光洋/秦テルヲ/靉光ほか多数。

古書買取のアイテム
図録買取


展覧会のカタログ(図録)は高価買取させていただいています。

画集・図録・美術書全般

新規商品を1点登録「バスキア/自筆ノート」

SHOPへ商品1点をアップしました。

「ジャン=ミシェル・バスキア/自筆ノート」です。

SHOP

関連書物も合わせて紹介させていただいています。


ジャン=ミシェル・バスキア/自筆ノート

●「洋書/Jean-Michel Basquiat/The Notebooks/
ジャン=ミシェル・バスキア/自筆ノート」

著者名 :Larry Warsh
出版社名:Power House Books
発行年月:1993年2月
サイズ :31*24cm
販売価格:14500円

状態:
使用感なく、きれいな状態です。

テキスト:英語
グラフィティ・アートをモチーフにした作品で知られる、
ニューヨークのポップアーティスト、ジャン=ミシェル・
バスキアのドローイング作品27点や、100ページに及ぶ
メモやイメージが描かれたバスキアの1冊の自筆ノートを
完全収録する1冊です。
ページ数の記載はありませんが約2cmの厚さがあります。
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画集の買取アイテム
古本買取


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ジャン=ミシェル・バスキア関連書物のご紹介です。

・「ポスター ジャン ミシェル バスキア
・「バスキア [DVD]」
・「ポスター ジャン ミシェル バスキア Obnoxious Liberals
・「バスキア・グラフィティBOX
・「ポスター ジャン ミシェル バスキア Mona Lisa
・「Jean-Michel Basquiat
・「Jean Michel Basquiat
・「A Biography

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ジャン=ミシェル・バスキア関連の書籍は高価買取させていただいています。
-

画集・図録・美術書全般

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買取日誌(7月3日)洋書絵本

洋書絵本、イラストほか、お売りいただきました。

茨城県日立市のお客様よりかわいらしいイラストの洋書の絵本を
買取させていただきました。
今回で三回目のご依頼です。
いつもありがとうございます。


渋谷区のお客様より、アート系の写真集をご送付いただきました。
コンディションの良い本が多く、査定も限界まで努力させて
いただきました。
ありがとうございました。

買取日誌(7月1日)ROWAN他ニット・手芸の本

ROWANほか洋書のニット、レースの本を買取させていただきました。

名古屋市千種区のお客様より、ニット、レース、クロスステッチ関連の本を
150冊程、買取させていただきました。
深い趣味を感じる、センスの良い手芸本を多く、ご依頼いただきました。
ありがとうございました。

以下のコメントもいただきました。
(掲載の許可をいただきましたお客様のコメントのみ載せています)


???お客様より???-

この度はセシルライブラリさんに出会えて本当に幸運でした。
大切にしていた本たちと良いお別れができましたことを心か
ら感謝します。また機会がありましたらお願いするつもりです

(名古屋市千種区 A様)


神戸市灘区のお客様より、茶道関連、大正名器巻を買取させて
いただきました。
ありがとうございました。

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